南山城(なんざんじょう)(標識なし)

 昭和2年「坪生村郷土史」は、『南山城跡、西楽寺の上にあり』とし、 戦国期の合戦のもようを記している。同地は坪生盆地の東西双方を見わたせる位置ではあるが、不明。
 ほかに南山城跡として、江戸野の掛谷良彦氏宅西側の森の中「垣屋が館」説、 その東向かいの狐原の清水山説、また東池平の山頂説など諸説あり、城跡、 城主とも不明な点が多く、今後の研究課題といえる。
 豊臣秀吉の山城禁止令以前の、各地に残る山城跡は、江戸時代の恒久的施設では全くなく、 軍事的拠点にすぎず、移動性を兼ね備えた、いわば見張り監視所ぐらいに 解したほうがいいようである。

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