池平(いけひら)の大師堂(だいしどう)

 備後地方のあちこちには、四本の柱に屋根をのせただけのお堂が、街道筋あちこちに見られる。 江戸時代前期の福山藩主・水野勝成候が力を入れて建立したもの。信仰の場であるとともに、 道行く人、旅人のやすらぎの場であった。
 古記録では「憩亭(いこいてい)」(やすみどころ)として『坪生村内十四ヵ所』と記されている。 昔の姿をとどめるのは、葉座の庚申堂、狐原の地蔵堂と、 この大師堂(福山志料には「池平堂」と記す)のみとなった。
 向かって左側の阿弥陀(あみだ)佛像は、今はなくなった「原(はら)堂」の本尊さまを、 あわせ祀ったもの。

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